OyaConv

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【2-2】 詳細設定モード
       (SDカードからの読込)
※OyaCOnv210 


OyaConv210 ではキーレイアウト、オプション設定など、詳細な設定をSDカードに書き込み、それをOyaConvが読み込むことで設定が出来ます。

SDカードの設定ファイルは、Windows , Mac , Linux に対応したテキストファイルです。
一度SDカードから読み込んだ設定は、電源を切っても保持されます。

詳細設定出来る項目   

●キーレイアウト

英数キーと親指シフト時のキーの配列を変更します。変更可能なキーは合計60キーまでです。一つのキー毎に以下の項目を設定できます。

設定項目 シフト 親指ボタン
 英数キー OFF時
 シフト無しローマ字  なし ON時
 左親指シフト時ローマ字  左親指シフト時 ON時
 右親指シフト時ローマ字  右親指シフト時 ON時
 小指シフト時ローマ字  Shiftキー時 ON時
※英数キー変更時は、変更した先のキーのShift,Ctrl,Alt が有効になります。

●オプション設定

OyaConv 動作の詳細を設定します。
・ 親指シフト同時打鍵許容時間(mS) ,・キーリピートまでの時間(mS)
・キーリピート繰り返し時間(mS) ,・キーリピートの有無
・親指ボタン押下時ブザー音の有無 ,・ブザー音の時間(mS)
・Pause キーを親指ボタンとする/しない
・キーマクロ設定
・右親指シフトキー定義 ,・左親指シフトキー定義
・英数→日本語入力キー定義 ,・日本語→英数入力キー定義
・キーマクロ定義


詳細設定の流れ   

詳細設定はSDカード経由にて以下の流れで設定します。

① SD カードをデバイス(PC,タブレット等)で開きます。

SD1_1.gif

② SD カードのルートディレクトリにある、以下の設定ファイルを、メモ帳等のテキストエディタで修正、変更します。

設定種別 設定ファイル名
キーレイアウト O_Layout.txt
オプション設定 O_Config.txt


④ 修正したファイルを、SDカードに書き込みます。

⑦ micro SD カードを OyaConv に読み込ませます。
SD1_3.gif


【2-2-1】キーレイアウトの詳細設定

キーレイアウト設定ファイル O_Layout.txt は、テキスト形式のファイルで、Windows , Mac , Linux に対応しています。

ここでは、Windows10 での設定を例として説明します。


キーレイアウト設定ファイルの開き方
   

micro SD カードをOyaConv から抜き、パソコンの SDカードスロット、または SDカードアダプタへ挿入します。

SD挿入 

しばらくすると、以下の画面が自動で開きます。
この例では、micro SDカードを Lドライブへ挿入しています。もし自動で開かない場合、エクスプローラー等のファイラーを使用して開いて下さい。

SD Directry 

※以下編集の前に、O_Layout.txt をコピー&ペーストし、バックアップファイルを作成しておくことをお薦めします。

ここで、O_Layout.txt を選択して右クリックします。以下のメニューが開きますので 「編集(E)」を選択します。
Menu.gif 

メモ帳が開き、設定内容が確認できます。メモ帳が開かない場合には、「プログラムから開く(H)」でメモ帳またはお使いのテキストエディタを使って開いて下さい。

MemoLay.gif 

 

キーレイアウトの編集   

キーレイアウトは、一つのキー設定を一行として記述することで設定します。
60行(60キー)までの設定が出来ます。
設定項目は ①~⑥ までの6項目です。項目の間は、下図のようにカンマ( ,)で区切ります。




上図の水色の枠部分は、アルファベットの「A」キーを設定する場合の例です。

以下、それぞれの項目について説明いたします。

元HID Usage ID 
Usage ID とは、USBのHID Usage table 規格で定められた、キーボード上のキーの位置を示す番号です。
例えば、日本語109キーボードであれば、以下のように番号が決められています。(十進数の場合)


2)109HIDUsage.gif

例では「A」キーについてのキー定義ですので、この項目では「4」という HID Usage ID  を半角英数文字で指定します。

この項目で指定された HID Usage ID が、ひとつのキー設定(一行分のキー設定)のベースとなります。

OyaConv で指定できる Usage ID は全て十進数です。

HID Usage ID が分からない場合、OyaConv の「HID Usage ID 確認モード」で確認することが出来ます。


変更後の HID Usage ID 
OyaConv で出力される 英数キー(親指ボタンOFF時)を指定します。①で指定されたHID Usage ID 番号と異なる番号を指定することで、本来とは異なる英数キーを出力することが出来ます。これにより、英数キーの入れ替えが出来ます。

例では、①元HID Usage ID と ②変更後の HID Usage ID とが同じく 4という数字になっています。この場合には、英数キーの入れ替えが無いことを示します。キートップと同じ文字が OyaConv から出力されます。

もしここで Aキーの右隣の22という数字を指定した場合、Aキーを押した時に、右隣のSキーを押した時と同じ動作(キーの入れ替え)にすることが出来ます。

HID Usage ID は整数として編集下さい。整数以外の文字は入力出来ません。


③ ~ ⑥は、日本語入力の文字設定です。親指シフト使用時にOyaConv から出力されるローマ字を文字として指定します。共通して以下の留意点があります。

 ● ローマ字の指定は半角英数(ASCIIコード)を使用下さい。全角文字、半角カナ文字は使用できません

 ● HID Usage ID と異なり、番号ではなく文字そのものを半角英数(ASCIIコード)で入力します。

 ● 句読点を指定するためのカンマ( ,)を指定する場合のみ、カンマの前後に半角のダブルクォーテーション( ” )を付けて下さい。

 ● 指定できるローマ字文字数は半角4文字までです。


シフト無し
シフトキーを押さずに、①のキーを押した場合のローマ字出力を指定します。

例では、親指シフト配列の「u」を指定しています。これにより、OyaConvで親指ボタンをONすることで、Aキーを押した時にOya
Convから「u」が出力されます。

左シフト
左親指シフトキー同時打鍵にて、①のキーを押した場合のローマ字出力を指定します。
例では、親指シフト配列の「wo」を指定しています。これにより、OyaConvで親指ボタンをONすることで、Aキーと左親指シフトキー同時打鍵で、OyaConvから「u」が出力されます。

右シフト
右親指シフトキー同時打鍵にて、①のキーを押した場合のローマ字出力を指定します。
例では、親指シフト配列の「vu」を指定しています。これにより、OyaConvで親指ボタンをONすることで、Aキーと右親指シフトキー同時打鍵で、OyaConvから「vu」が出力されます。

小指シフト
親指シフトキーと区別するため、左右の Shift キーを「小指シフト」キーとしています。
親指ボタンON時に、Shift キーを押しながらキーを打った場合のローマ字出力を指定します。
例では、「A」を指定しています。これにより、OyaConvで親指ボタンをONすることで、Shift キーを押しながらAキーを押した時にOyaConvから「A」が出力されます。

伝統的な親指シフトでは Shift キーを押しながらキーを押すことで半濁音(ぱびぷぺぽ)を入力していました。この配列にする場合には、この小指シフト項目で半濁音を指定下さい。



拡張キー定義
            

③~⑥の日本語入力文字設定では、設定文字として以下の文字を指定すると、拡張キー定義として特別な動作をさせることが可能です。拡張キー定義も、半角英数(ASCII)文字のみで、半角カナ、全角文字は使用できません。

●バックスペース、エスケープ、無指定

 BAK・・・・・バックスペース(後退)キーを指定します。
 ESC・・・・・エスケープキーを指定します。
 NON・・・・・何もキーを指定しません


●HID Usage ID ダイレクト指定

 H + HID Usage ID として指定することで、HID Usage ID をダイレクトに指定することが出来ます。
 HID Usage ID は十進数で指定します。
 例) H135・・・・ HID Usage ID の 135 をOyaConv から出力します。


●ユーザーキー定義マクロ番号(保留機能)

 @ + ユーザーキー定義マクロ番号 で、オプション設定ファイル( O_Config.txt )で指定されたユーザーキー定義マクロを実行することが出来ます。
 例)@5 ・・・・5番のキーマクロを実行します。


キーレイアウト編集用 表計算ワークシート
          

キーレイアウトを見やすく簡単に編集するために、フリーウエアのOyaConvレイアウト編集用 Excel ワークシート (取扱説明書はこちら)を用意しております。このワークシートを編集することで、上記テキスト形式の設定ファイルを比較的簡単に作成することが出来ます。

ただし、このワークシートはフリーウエアのため、ユーザーサポートの対象外となります。

OyaConv のユーザーサポートは、上記テキスト形式の設定ファイルが 正しくmicro SD カード内に書き込まれていることを前提とさせていただきます。
(今後、ワークシートではなく Windows形式のアプリケーションを提供することになるかもしれません。こちらもフリーウエアとしての提供を考えております。)


レイアウト編集が終了したら
          

編集終了時には、必ずSDカードへ O_Layout.txt 設定ファイルを保存して下さい。


次に、以下の手順で OyaConv にキーレイアウト設定データを読み込ませます。

① OyaConv のPC側USBプラグを抜きます。(電源を切ります)

② OyaConv のSDスロットに、設定を終えた micro SD カードを挿入します。


③ 親指ボタンを押しながら、PC側USBプラグを挿入します。(電源を入れます)


④ 読み込みが正常に終了すると、ブザーが3回鳴ります(ピー・ピー・ピー)。また、ログファイル OYALOG.TXT に正常終了が記録されます。



レイアウト読み込みが正常に行われなかった場合
          

● ブザーが短く「ピピピ!」と鳴り、電源LED、親指ボタンLEDが交互に点滅し、エラーを知らせます。
● ログファイル OYALOG.TXT にエラー詳細が記録されます。

ログファイル OYALOG.TXT については【2-2-3】 設定ログファイル を参照下さい。

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【2-2-2】オプションの詳細設定
オプション設定ファイルは、テキスト形式のファイルで、Windows , Mac , Linux に対応しています。
ここでは、Windows10 での設定を例として説明します。

オプション設定ファイルの開き方          

オプション設定ファイル O_Config.txt の開き方は、ファイル名が異なるだけで、キーレイアウト設定ファイルO_Layout.txt と同じです。開き方の詳細はこちらを参照下さい。
オプション設定ファイル O_Config.txt が開くと以下の例のような内容が表示されます。
 
MemoConfig.gif 
 

オプション設定の編集          

オプション設定もキーレイアウト設定と同じように、メモ帳等のテキストエディタで編集します。

行の先頭(最初)にある識別子の次にイコール(=)があり、続いて数値または文字が書かれています。変更する部分はこの部分、下図水色の枠内の文字です。識別子、イコール文字は変更・削除しないで下さい。

オプション設定ファイルには、それに引き続き「;T1タイマ値(ms)」などの文字がありますが、これは分かりやすいようにしたコメント部分で、設定には直接関係ありません。
(その行のセミコロン(;)の後ろはコメント文字となり、実際のオプション設定とは無関係な部分です。また、変更箇所とコメントの間の半角スペース文字も実際のオプション設定とは無関係です。)
 
T1(同時打鍵許容時間)
親指シフト同時打鍵に関する設定です。どこまでの時間範囲で同時打鍵とするかを設定します。単位は mS (ミリ秒,1/100秒)です。
この設定値を小さくすると、単独打鍵のスピードが早くなりますが、その代わりに同時打鍵が厳しくなります。
逆にこの設定値を大きくすると、同時打鍵のタイミングは緩くなります。
1(mS) ~ 2000(mS) の範囲で指定が出来ます。

T2(リピートまでの時間)
一度キーが出力(文字が1文字表示)された状態で、キーを離さず、同じキーを押し続けた時に、リピート(キーボードが同じキーを連続で出し続けること)が開始されるまでの時間を設定します。
1(mS) ~ 1000 (mS) の範囲で指定が出来ます。

TR(キーリピート時間)
キーリピートを送出する間隔を指定します。
1(mS) ~ 1000(mS) の範囲で指定が出来ます。

KEY_REPEAT(キーリピートの有無)
キーリピートを行うかどうかの設定を行います。
0・・・無し  1・・・・有り のいずれかの数字を指定します。

BUZZ_TIME(ブザー鳴動時間)
親指ボタンを押した時のブザー音を鳴らす長さを指定します。単位は mS (ミリ秒)です。
ブザー音を短くすると、クリック的な音になりますので、音量を抑えることが出来ます。
確認時・エラー発生時のブザー音の長さは、この設定では変わりません。
1(mS) ~ 50(mS) の範囲で指定が出来ます。

BUZZ_ON(ブザー鳴動の有無)
親指ボタンを押した時にブザー音を鳴らすか、鳴らさないかの設定を行います。
この設定の有無に関わらず、確認時・エラー発生時にはブザーは鳴ります。
0・・・・無し  1・・・・有り のいずれかの数字を指定します。

REN_SHIFT(連続シフトの有無)
(保留)

PAUSE_SW(Pause を親指ボタン化の有無)
OyaConv では キーボードのPause ボタンを親指ボタンとして設定することが出来ます。
0・・・・無し  1・・・・有り のいずれかの数字を指定します。
※以下の設定は、簡易設定でも行うことが出来ますが、ここで設定すると、異なる種類のキーボードを使う場合に、異なるSDカードを読み込ませることで一括して設定を切り替えることが出来ます。

R_KEY(右親指シフトキー設定)
右親指シフトキーの HID Usage ID を指定します。

L_KEY(左親指シフトキー設定)
左親指シフトキーの HID Usage ID を指定します。

J_E_KEY(日本語→英数切替連動キー)
日本語入力から英数入力への切替キーを HID Usage ID で指定します。ここで指定されたキーを押すことで、親指ボタンがOFF状態になります。

E_J_KEY(英数→日本語切替連動キー)
英数入力から日本語入力への切替キーを HID Usage ID で指定します。ここで指定されたキーを押すことで、親指ボタンがON状態になります。

オプション編集が終了したら          

編集終了時には、必ずSDカードへ O_Config.txt 設定ファイルを保存して下さい
次に、以下の手順で OyaConv にキーレイアウト設定データを読み込ませます。

① OyaConv のPC側USBプラグを抜きます。(電源を切ります)

② OyaConv のSDスロットに、設定を終えた micro SD カードを挿入します。

③ 親指ボタンを押しながら、PC側USBプラグを挿入します。(電源を入れます)


④ 読み込みが正常に終了すると、ブザーが3回鳴ります(ピー・ピー・ピー)。また、ログファイル OYALOG.TXT に正常終了が記録されます。


オプション読み込みが正常に行われなかった場合         

● ブザーが短く「ピピピ!」と鳴り、電源LED、親指ボタンLEDが交互に点滅し、エラーを知らせます。

● ログファイル OYALOG.TXT にエラー詳細が記録されます。

ログファイル OYALOG.TXT については 【2-2-3】設定ログファイル を参照下さい。


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OyaConv製作 高橋 祥之

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